Oct,09 2016 No Regrets
今日、豊海で行われた大会に出た。
ほぼ毎年出ている、お世話になっているショップの大会だから、決して大きなものではない。
大会に出ることについてはこれまでに何度か書いた、大会があれば必ず出るといった頃、大会嫌い・面倒くさいから出てなかった頃、お付き合いで出るようになって以降等々、出るまでの気分に紆余曲折(?)があったが、「出るからには勝つ」という出た場合の大会への向き合い方は変わらずにいた。
競技以外の部分での楽しみも大会の楽しみではある、それがショップの大会となれば尚更だが、とにかく勝ち負けには拘る。
で、勝ち負けに拘るくせに、運否天賦での優劣を嫌う。
今年の支部予選、サイドオンショアの膝~腰、ヒート中に点になる波は2~3本程度。ワンアクション入る波を捕まえられるか否かが大きく、それもコンペティションサーフィンのスキルのひとつと言えばそうなのだろうし、逆に言えばサーフィンの大会における、いわばより下克上を可能としている所以かもしれないが、技術の優劣より波の取り合いの優劣を競うようなものと感じた。技術での比較なら勝っても負けても納得がいくが、そうならないのは面白くない・・・。なんだろ、技の応報じゃないけど、そんな感じじゃないとつまらない。
支部予選の後「もういい」と思った。
所謂、コンペティターではない。「サーフィンの一面としての愉しみ方」として出ているだけだったから、改めて大会が面白いと感じられなくなった。
そんなことから、結果がどうなろうと、今回のショップの大会を最後にしようと決めた。
今まで何度か入賞をさせてもらっていたが、出るのは年齢別によるクラス分けによるシニアクラス/アラフォークラスで、(よくある)Aクラス・Bクラスといったレベル分けによるクラスには出ていなかった。そこで今年は最後だから年齢別による「アダルトクラス」と、「Aクラス」と二つ出ることに決めた。
Aクラスなればライダーレベルの人もいるから勝つのは至難、チャレンジだが、勝つつもりで。
だが、2クラスエントリーを決めて(心に)から少したった頃、膝が腫れた。当然、波乗りすると悪化することもあった。
最後の大会と決めて2クラスエントリー、本気度は高い。でも、本気度が高い故に中途半端は嫌だったから、もし波乗りしてて膝をかばうような事があれば、残念ながらキャンセルとも決めた。
で、大会までの間波乗りをしないわけにはいかない。とりあえず膝をついて痛むことに対しては、古いウエットの膝周りを長めに切り取り膝パットの代用として対応。いや、ジャーフル着ればいいのだが、まだ暑い日もあったからスプリングの下に重ねて装着、これでけっこう痛みを感じなくなった。
ライディングに関する痛みは、フロントサイドのリエントリーで板を返した時や、ボヨ付いて下からの突き上げを食った時などに起きるので、スープに当て込まない、極力フロントサイドに行かないことで傷まないようにした。
また、サーフィン後に限らず、仕事からの帰宅後もアイシング/コントラストを行って治療に努めもした。
大会が近くなったら逆算して中3日前に波乗り、これは自分のペースで波乗りの感覚が残っていながら疲労が抜ける日数だが、こうして波乗りしないで体を休める間を作る。休みのペースはいつもとずれるが、勤務先に対しても事前に休みを取れるようにもしておいた。
果たして前日、まだ膝の痛みは少し残るが無意識にかばうこともない。よりによって早寝したい大会前日に会議が長引いてバタバタになったが、普段より少し早く就寝できた。
当日の朝は寝不足を感じながらも適当に寝られた感はあり、大会の朝としてはボチボチ。
波はやや強めの南西風・サイドの風に煽られた少々チョッピーな腰~胸、時間によりセットで肩サイズが入るコンディション。低気圧の通過に伴い後に西~北西のオフ寄りに回る予報だが、ミドルで割れてもインサイド寄りが深い地形でブレイクが続かない。
ミドルで割れるブレイクは、小さ目の波は肩が落ちて続き辛くややサイズのある波はダンピーで、切れ目から1アクション程度。多少サイズがあるし、風の影響があっても潰されたりしていなので形にはなっているが、良い波ではない。
波もそうだが、見た目にわかる左への川の様なカレントも厄介そうだ。
レギュレーション
クラス分けだが、ビギナーと年齢で分けられたアダルトクラスの他にAクラスとBクラスがある。AクラスとBクラスは1回戦がそれぞれのクラスの中でのクラス分け戦で、クラス分け戦を勝ち抜けした者がそれぞれA1クラス・B1クラスへ進出、負けた者はA2クラスとB2クラスへ回りそこから1回戦が始まる。
1コケしても次がある=できるだけ大会を楽しめる様にとの配慮によるレギュレーションだ。
エントリー数の多いAクラスからのスタート、1ヒート目に組み込まれた。アダルトクラスとのWエントリーなので、先々それぞれのヒート同士が重なったり、近づかないようになる事を祈る。
ところが、「A1クラスで勝つ」という目標にもかかわらず、Aクラスのクラス分け戦で色々あったとはいえノーライドというヘマをやらかしてしまう。
変な波乗るとゲット面倒な上にカレント半端ない、本数は要らないが確実に点になる波をと選び過ぎた。この大会、一番上のクラスでどうか?ってのがあったから、正直モチベーションが落ちたが、とりあえずアダルトクラスを頑張ろうと切り替えた。
アダルトクラスの1回戦、Aクラスのクラス分け戦での反省から、セットじゃなくてももう少し積極的に乗る方向にした。どのみち肩が続かない波がほとんどで、走って肩で浅いリエントリーやターン、若しくはスープに合わせるなら、1アクションで終わっても最初のセクションでしっかりリエントリー入れた方が点になる。実際Aクラスの他のヒートもそんな感じだった。
で、ヒート中盤の切れた波、切れ目から最初のセクションでリエントリー。
続けて狙ったフィニッシュは着水の際のスープのはねっ返りを受けて落ちたが、このコンディションなら有効なライディングだ。
もう一本は終了残り時間が少なくなってから、ボトム降りてすぐリエントリーでクローズする波だが、これも点にはなった。
とりあえず内容には不満も、1抜けすることが出来た。アダルトクラスはエントリーが多くないので次はセミファイナルだ。
二年連続で1コケしていたアダルトクラス、ここを1抜けして一安心。
アダルトクラスのセミファイナルまではA2クラスの1回戦・2回戦と続く。
A2クラスの1回戦・2回戦はやはり内容には不満も、皆良い波には乗れなかったようで、1抜けでこちらもセミファイナルへ。
アダルトクラスのセミファイナル、一本目のダンパーに突っ込んで巻かれた際、フィンで頭を切った。
血が顔面を伝い流れて「棄権か」と思ったが少しの間アウトで様子を見ていたら出血が収まってきたので続行。
出血が収まってきたとはいえ痛みもある。だが、逆にアドレナリンが出たかテンション高いし、疲れも吹き飛んだ。
次の波は1リエントリーの後、掘れ掘れのインサイドでのフィニッシュでワイプアウト。もう一本は手堅く、縦に1リエントリーで纏めてファイナルへ。
続いてA2クラスのセミファイナル。
この間には1ヒート入るだけで2ポイントを歩いて移動など、休む間が無い状態だが、アドレナリンのせいかやはりテンションは高い。
それでも、最初のゲットは普通に出られても、手堅く(?)1リエントリーの波を2本揃えた後は電池切れ。カレントに持っていかれたうえにミドルではまってしったが、他の選手がアクション入る波に乗れなかったか、ここも1抜けでファイナルへ。
ここで間断なくアダルトクラスのファイナル、レンチャンは厳しいと運営に言って10分だけインターバルを貰ったが、とりあえず息を整えるのが精いっぱい。
始まってすぐ、珍しく切れたセットが入ってきたので迷わずテイクオフ、ただ、ブレイクは速い、ボトムターンから大きなトップターンを入れて再度ボトムへ。ショルダーでリエントリーを試みるも思ったほど肩が出てこない、アプローチ段階でカービングに移す余裕がなく敢え無くワイプアウト。
間を置かずミドルサイズの波にテイクオフ。思いっきりリエントリーするには良い塩梅のショルダー、縦に運んできれいに入った、スプレーもけっこう上がったが、底掘れするボトムでバランス崩してワイプアウト。
最初のゲットはここでも普通にこなせたが、何故かここで張りつめたものが切れたかのように脱力。よりによって左へのカレントが強く、ミドルサイズが間断なく割れる場所で大はまり。正直「心が折れた」状態、川の様なカレントは百も承知で息が整うまでだらだらパドル、残り2~3分となったところでようやくアウトに出られたが、ジャッジのテントは彼方・・・。終了の旗を確認して丘に上がる。
とりあえず這う這うの体で前半しか参加してない状態、2本目のワイプアウトを技の後と取ってもらえて合計5~6点かといった感触には不満だったが、見た限り皆良い波には乗っていないようで、もしかしたらそんなに悪くはない結果か?と希望は残った。
「心が折れた」とヒートの7割の時間を無駄にしておきながら、よく言うよ!なのだがね・・・・。
そんな這う這うの体ながらA2クラスのファイナル。
間にBクラスのファイナルが2ヒートあったので少しだけ落ち着いた。だが、アウトスタートでのゲットは普通に出られたがつい先ほどのヒートを考えると「2本揃えられれば・・・」といったところ。
だからここは確実にアクション入る波を選んだ。
開始から少し経ったころ、やや小ぶりだが切れた波にテイクオフ。速いセクションを抜けて先が崩れるところでフローター、テールから降りたその先は肩が落ちてブレイクが切れた。これは「ここから2本揃えないと・・・・」という感触。
だが、ここからのゲットではまった上に、はまっている間に他の選手が短いながらチューブをメイクしたのを目の当たりにしたから、「これは勝てないか?」と、はまってる=地獄とチューブ=天国だからメンタル的にはやや諦めモード、「一つでも上の順位を」の境地。
とりあえず、先ほどのヒートの様に休んじゃいないからジャッジから視認できる位置に何とか戻る事ができた。だが、良い波は来ない。終盤、1アクション割り切りでテイクオフ。1アクションでクローズするのは見え見えの波だから、「出来るだけ大く」を意識してトップへ向かうが、少しバックウォッシュが入ってタイミングがずれた。
失敗するかもしれないところを何とかこらえてリップにボトムを合せてリエントリー、これで気持ちタイミングが遅れて逆に大きなテールの抜けるリエントリーになった。
ここで残り1分のコール、「終わったな」と、そそくさと陸に上がる。「最後の大会と決めた大会での最後のヒート」なんて感傷に浸ってなんかいられない、とにかく酷い疲労感だけ。。。
一番上のA1クラスと、アダルトクラスと2クラスでの優勝を目指した。
Aクラスは最初のクラス分けで「負けてる」わけで、例えばリパに回ってAクラス優勝ならともかく、一番上のクラスではなくなった。
そこのところは大いに残念だが、「どんな結果になろうとこれで最後」と思えばこそ、「心が折れた」りもしたが最後までこなせた。都合8ヒートやって、内容に満足のいくヒートは皆無だが・・・・
「悔いなし」
ラオウの最期のシーンを思い出したよ、兎に角やりきった。
そして結果が付いてきた。
アダルトクラス=優勝
A2クラス=優勝
A2クラスファイナルで見たチューブは4点台前半、彼は1本足らなかったようだ。俺にはそんな幸運もあって1アクションのライディング2本(3.6+2.6くらいだった)で勝てた。
Wエントリーを決めてから、大会のシミュレーションとかやらなかったが大会に向けて色々頑張った。
もちろん、苦手なオンショアに潰されたチョッピーコンディションでなかったのも幸運だったが、Aのクラス分け戦以外全部1位抜けで上がって、エントリーした2クラス(どうしてもA2というのはイマイチと思ってしまうが・・・)を勝つことができて、本当に良かったよ!