Mar,01 2016 なでしこの憂鬱
リオのアジア地区予選、オーストラリアに1-3で負けた。
勝敗は兵家の常だから、昨夏のカナダの裏返しがあることは仕方が無いかもしれないが、何より、内容がいまひとつだった。
確かに、レフリーが基点となった2点目は不運で、あれが無ければとも思うが、なでしこの弱点を突きなでしこの嫌がるサッカーをしてきたオーストラリアに対し、いつもどおりのなでしこでいた彼女達が以前のように押し込む展開にはならなかったのは自明だった。
フォーメーション以前、4-2-3-1をと書いたが、4-4-2ではバックラインからボランチ、ボランチからサイドハーフ、このパスルートを狙ってくるチームが多いためにツートップが下がってフォローに入る、持ち直してもがツートップがトップの位置にいないために遅攻となる。上がりを待つ間、出しどころを探る間の中盤でのパス回しのミスを狙われる悪循環。キック力の弱さから長いサイドチェンジができないなでしこ、中盤の枚数が少なければ通るコースも限られるのだから狙いやすいことこの上ない。
オーストラリアの布陣自体はカナダのときと同じ4-3-3だが、もっと前からきたし、なでしこより中盤の枚数が多いのだからパスが回って当然だった。いい加減佐々木監督には4-4-2に固執するのはやめていただきたい。せめてトップの枚数を減らす格好でも中盤を制圧されるのは避けるべきだった。
メンバー今回、宇津木と安藤がコンディション不良から呼ばれなかったが、澤が引退した現状において宇津木がいないのは大きなマイナスだった。
特に体格の違うオーストラリア相手では大きな痛手だった。それでも、なでしこの中では大きいほうで、フィジカルが強い川村がいたのだから川村をボランチで使って欲しかった。具体的な布陣は、GKはお任せするにしても(初戦を考えれば大きさより経験値で福元かな)、鮫島・熊谷・岩清水・有吉-川村・坂口-川澄・宮間・大野-大儀見。ドイツの遺産、マンネリメンバーとか揶揄されそうだが、4戦目のベトナム戦と最後の北朝鮮戦で若手を使ったりするためにも初戦を必勝とすれば、いつものメンバーもやむなしと思う。個人的には大野は横山でもと思っていたから、前半での交代は大いに賛同したのだが・・・。
このメンバーでこの布陣なら、宮間の守備の負担を減らせるし、5枚の中盤だから三角形が複数生まれるので前後左右とパスの出し入れ・選択肢は増えるから小気味良いなでしこのパス回しができたのではないだろうか。
分断されてた大儀見と宮間の位置が近くなるし、マークすべき相手が縦関係ってのは相手チームからしたら嫌なものでしょ。以前は大儀見-宮間-澤といった縦関係だったから相手チームは苦心したでしょ。
まぁ、結果論なら何とでもですけどね。
それにしても後半のベンチの慌て様はどうしたものか・・・。今までは負けていてもあんな風にはならなかったが。敗色濃厚となった際にベンチが慌てふためいては、ピッチにいる選手が動揺しないわけが無い。同じタイプの選手を入れ替えただけじゃ無策としか思えないし。佐々木監督はそこも反省して、次に繋げて欲しいものです。
とにかく次の韓国戦は勝たないとリオへの道が断たれる可能性が高い。
同じような体格の韓国がオーストラリアと同じ戦術を執るとは考えにくいが、自分達のサッカーは即ち相手に研究されてるサッカーだから、いずれにしても弱点を曝け出さないようには最低限ケアして戦って欲しい。