Apr,10 2018 日本サッカーがFootBallではなくただのエンタメになった日

ハリルの解任を受けてだ。

「俺達のサッカー」でブラジルでボコボコにされて、10人のギリシャのゴールすらこじ開けられないパスサッカー。
アジアでは強くても所詮井の中の蛙だった。

だから違う方向に舵を切ったのでは。アギーレの件はあったけど、少なくとも異文化の国の代表監督としてグループリーグを突破させた経験のあるハリルを雇った筈。
日本人の文化の中では、相容れないキャラクターだったと思うが、世界で戦うにはその劇薬とも言うべきものも必要悪(ハリルには失礼だが)だったと思う。
少なくとも、ここ3年ほど積み上げてきたものを霧散させ、例えハリルが率いて全敗だったとしても、それは一つのTry&errorによる結果と言えたが、その結果と結果による新たな模索の材料も放棄したことは間違いない。

札幌の元イングランド代表は言った、「世界では戦争だが日本では試合」だと。いや、世界では普通に言われるている事でもある。
政治的・社会的に言えば戦争とは政治の一部・手法であるが、富める国は戦争と言う手法は執らない。富めるJリーグはポドルスキを雇ったりしているが、全盛は過ぎていて、悪く言えばその名前を雇っただけだ。
つまり日本サッカーは世界に出ることなく内需だけで十分で、ワールドカップを獲る100年(いやもっとか?)の計より(強くない、若しくは本気で無い)つまらない相手との目先の1勝が大事だと、それが協会とスポンサーの意向で、ハリルを切るのは将器としてではなく演出家としての資質からだろう。

まったく面白くないよ。
個人的な願望込みだが、弱者が強者を倒すためのことをハリルはやってきたんじゃないかと思う。
サッカーの技術・戦術は詳しくないが、身内すら騙し本番以外では手の内を明かさず、それでいてマリ戦やウクライナ戦等では線・面へと繋ぐための点は確認・押さえていたのではと。「将外に在れば君命受けざることあり」ということまで含んで兵法に沿っていたのではないかと。兵卒の士気は、その兵卒の生殺与奪は監督にあったのだから士気の低い・戦術に迎合できないものは呼ばなければいいだけだから問題ない。それが例えスポンサーのお気に入りだとしてもだ。
そもそも、E-1で2回続けて内容が良くないって、一つの本番だったアジア予選は勝って来たじゃないか。E-1なんて捨て試合にして試用に徹したと思えば、例え本番でどんな無様なサッカーをしても結果だけは手に入れてくれたのではと思うと無念だ。

あと45分でなでしこの日韓戦が始まる。

なでしこは経済が安定しないのだから政治的に戦争、もちろん勝つという手法を執らざるを得ない。
だが、何を考えているのか・・・・負けて得るものは有っても負け続けて得る物は無い。文化が無い上にその素地を作るためのプロ化も間々ならない、その立場を理解していないと感じる。
そもそも、世代交代ってなんだ?最低限若干の乱高下を以って戦えるレベルを維持していなかったら世代交代の意味は無い。
所詮U-17なんてお嬢様サッカーで、削り合いになったら技術を発揮できず、大人になったら立場なんて簡単に変わるものだった。なら、ベテランに頼って強いなでしこを維持し、ちょっとずつでも澤の背中を伝えながら下の世代を待つのも一つの手段じゃないのか・・・。日を追う毎になでしこブランドは没落の勢いを増し、サッカーに集中するための環境が遠ざかる悪循環になっていると思う。

だから、そういう政治的・経済的な要素までマネージメントするって事を考えれば、監督=将器は佐々木監督が良かった。会見での受け答えなど見ても、マネージメント能力・将器は高倉さんよりずっと上。
高倉さんはアンダー世代から監督やってきてるけど、アンダー世代では姉・母的な素養が良いのだと思う。でも、大人の女子を扱うフル代表の監督は、「良き上司」じゃないと務まらないのだとも思う。

なでしこはエンターティメントからも落っこちかけてる、アジアカップのノルマは最低でも決勝進出だ。
それができなければ澤や宮間たち11年優勝メンバーが築き上げてきた礎が、また一つ欠け落ちてしまう。

一本ポッキリ さっかー