Jul,20 2023 2023W杯にあたって

高倉さんがやっていた2019に五輪は書く気がおきなかった。
理由はチームの方向性や決まり事等がプレーで見えないチームであったことで、勝とうが負けようが書けないからだが、そもそもの選手選考などに合理性や論拠らしきものも見えず・聞こえずな高倉さんのやり方(?)に辟易としていたからだ。
今回、池田監督になりなでしこイズムというか精神論・根性論になるが『あきらめない』とかいった部分の深化は求められないが、戦術などはあるしチームとして成長の余地(成長か、退化したのが元に戻るだけかはともかく)があるので書く。

神がかっていた2011と、神がかりだけではないと証明したその後の五輪とカナダ大会で準優勝。ただ澤の引退や下からの突き上げが無かったかあったかは判らないがメンバーの固定化による弊害、他にも原因はあると思うがリオ五輪の出場権を逃してから凋落が始まった。
佐々木監督が退任し高倉さんが就いたばかりの頃は、親善とはいえアメリカとも伍していたし相性悪いイングランドはともかく、まだ強いなでしこがあった=遺産を使った。
ちょうど2012年にU-20W杯の開催が日本に転がり込んできて、そこで初めて3位となり銅メダルを獲得。
今ではアンダーでは強いなんて言われているが、U17は昔からクオーターくらいまでは必ず行っていたものの体が大きくなるU20ではこれが初めてのセミ以上だったわけで、アンダーは強いと言えるようになったのはそれ以降だ。
尤も2018優勝と2022準優勝以外は件の2012までメダルがないわけで、日本女子はアンダーは強いってのはここ数年からと言ってもいいくらいだ。その前はドイツあたりが上位の常連で、日本はGL突破はしても上にはいけてなかった。

まぁアンダー強ければトップも強いなら北朝鮮は何度かセミくらいまで行っていて不思議はないがそれがないのはW杯と名はついても、アンダーのそれとは別物ということだ。

ただ2012のU20には今回呼ばれた杉田や猶本に田中や仲田などタレントが揃っていて、杉田は佐々木監督に呼ばれたことはあったと思うが猶本・田中・仲田はほぼ呼ばれなかったと思う。当時中盤にタレントが揃っていて、生命線であるコンビネーションが出来上がっていたからだろうが、ここでこの年代の彼女たちを呼んでいれば、現在のメンバーの年齢構成バランスが良かったかもしれない。
特に田中、容姿ばっかり取り上げられるがプレースのうまさはこの世代随一で宮間の後継者とも言われたっけ。INACに入りここでもレギュラーの壁というか2011優勝メンバーに阻まれ出場機会を求め2部チームへ移籍し昇格後スペインへ。ただスペインでは結果が出ずで現在は韓国リーグに居るが、久保建英がマジョルカ他で結果が出なかったのと同様、スペイン下部チームに行っても攻撃力が魅力の彼女は活かせなかったと思う。4-4-2のセカンドトップかサイドハーフで攻撃的な役割、キックの精度が高くドリブルも
なでしこの中じゃ良い方だろうからせめて事前に呼んでほしかった。それで良いプレー・持ち味出せないなら仕方ないとおもうけどな。

まぁ噂の域をでないが、この時期世代交代においては男性監督は嫌だのだれだれ選手はムリだのという声もあったとか。
個人的には永里と何気に宮間がきついんかなと思ったりしたが、澤はじめ上が抜けて悪い意味の突き上げがあるなら尚更永里という毒が必要だったと思う。ただし高倉さんじゃそれでチームを作る事は不可能だろうけどな。

そして高倉さん頃にさんざ永里・長野・田中・宇津木・猶本(ドイツ行った頃な)を呼べと書いたが、長野・猶本は呼ばれるようになった。
2011頃とは蹴り合いだった女子サッカーも大きく変ってチーム戦術必須となったが、基本的にセンターラインにレベルの高い選手が必要というのは古来から同じだろう。
2011のなでしこなら永里-宮間-澤-熊谷といったところ。よく澤と宮間のボランチと耳にするが、往時ボランチは澤と瑞穂で宮間はセカンドトップでウイングが安藤・大野と川澄あたりだった。
相手ディフェンスラインにギャップを作るには、縦の移動でマーカー/ラインに隙を生ませるのが早い、宮間が下がって澤が上がるってのはどちらも相手にしてみれば怖い選手だから混乱を生みやすい。

果たして2023、高倉さんの呪縛から離れたものの長期方向性・策・戦略・戦術なしでやってきたからその後遺症はまだ残る。
なでしこの生命線の一つはアイコンタクトすらなしでのコンビネーション。最近のゲームでもパススピードが遅いこと多々あり、早いパスには合わない・トラップが流れる選手も少なくないと個のレベルもちょっとといったシーンも散見されるレベル。
2011~2015を経てそこらへんをベースに世代交代と上積みが出来ていればよかったが、高倉さんは間逆のことを結果してくれたのでベースが無いから選手選考も多分しっくりとはしていないと思う。
そんな中、一時は意味不明に韓国行った長野がリバプールでそこそこやれていて、結局短期間で浦和に戻ったが対人は強くなった猶本が入ったのは底上げになっただろう。
以前の猶本はボランチで役割としては地味な感じだったが、早々に帰国したがドイツから戻ってからはなでしこの中では対人に強くパスの精度も上がったと思う。池田さんの布陣ではシャドーの様だが、坂口のような存在が適任ではと思う。マスゴミの記述ではプレースが上手とか書いてあるが、ドイツでは蹴ってない筈だし、浦和のゲーム見てないから知らんし、田中がいたせいかU20でもプレースのイメージは皆無。それにプレース蹴るなら唯という適任者がいる、佐々木監督頃から、高倉さん時はテキトーで解らんかったがボランチには対人強い人を置く、ならやはり猶本はボランチだと思う。プレース上手=キックの精度が高いってなら前に付けるボールもうまく蹴れるだろ。点を獲ることことを求めらもするセカンドトップやシャドーは唯のが適正高いから、やはり猶本ボランチでしょ。

本人入る気ないのかアメリカで未だ充分やれてる永里と3バックのウイングバックにしろ4バックのサイドバックにしろ、なでしこの中じゃ早いほうの鮫島と熊谷の前でも横でもできる宇津木(怪我かなんかわからないが)は入れて欲しかったな。
彼女らには経験=危機管理など今の若手(杉田・猶本あたりは中堅・いいとこだが)中心では足りないものがある、熊谷1人で2011の空気は作れない。
熊は2011のPKであそこに蹴る(ただ強く蹴ろうとしか考えてなかったらしいが)心臓があり、全盛期のリヨンのスタメンでCL決勝(サッカーはヨーロッパ中心、クラブチームの最高峰はCLという価値観だわ)のPKでも最期に勝を決めるキックを蹴った稀有なこともやってのけた、CL5連覇他フランス3冠やリーグ戦何連覇か忘れたが今の価値観からすれば実績は澤を遥かに超えるものがある、とはいえ「私の背中を見て」というタイプではない。
澤引退で既にきつかったが、世界に出てなおかつワールドカップの重みの中で勝ちきるための空気を作るには、経験のある永里・鮫島・宇津木も必要だと思う。フィジカルで足りない部分、技術でも補えない部分があり、そうした読みと勘はこうした積み重ねのある選手にしかない。
何よりも長谷川や長野がいても、見ていて怖さがない。メンバー誰にも。長谷川はプレミアであれだけできてる、cityで前目をやっても点には多く絡むだろう。ただ点をたくさん取るイメージはない。
1トップ、田中は高倉さんころから見てるが悪いが渡米後もアジアでならといった感じ。植木はU20優勝メンバーでセンターフォワードタイプではないセカンドトップタイプだが期待はしていた。前回怪我で出られなかったが期待するなら理子、この期間中に化けて欲しいのが浜野、負けん気と技術の高さは伸びしろが大きい。
今回のフォーマットではGリーグ3位でR16はない、初戦勝てないと恐らく突破できない、突破できても2抜けでは多分U20優勝メンバー中心では厳しいだろう。と思ったが、1抜けでも2抜けでも対戦するのはAで開催国のNZかスイスかノルウェー、高倉さん頃にノルウェーに負けた記憶があるが、何処が来てもここは通るだろな。

セミ以上を目標とするならGLはローテーションを使うだろう、GL最大の相手はスペインだがそこを消化試合にできるくらいの戦略が要る。消化試合だが手の内出さず少し落としたメンバーで勝ち切る芸当ができれば最高、スペインも全部は出さない筈だから塩試合になりかねないが、クオーターの組合せは考えずに一抜けを目指してほしい。現状2012ロンドンの時の様に2抜け狙いとかやれる様なチームではない。どんなゲームでも抜いて良いところはない。

戦術的に急造としか思えない3-4-2-1、失礼だがパナマは弱かった、2011の様に強いところとやって弱点を炙り出して欲しかった。
昨年の男子での成功例(?コスタリカには点が取れなかった)から、5枚替えの利くフォーマットと相まってフィジカル負けしやすい日本には合っているということか。
確かにウイングバックが上がってもお約束で逆は下がってバックラインが4枚になるし、仮に両ウイングが上がっても3枚は残る。
守りでのリスクは減るが、周知のとおり押し込まれると5バックになり攻め手を欠きまたはじき返したセカンドも拾われまくる悪循環を生むだろう。そうなると走力が無いからロングカウンターはきつい、リスクをかけて点を取りに行く想定も必要だろう。
またボランチからシャドーなどに速いボールを付けていた男子はともかく、速いボールを前を向いた状態で収めてアタッキングサードに持ち込み人数か圧をかけられるかは疑問だ。シャドーの宮沢・藤野は戦術三苫というようなまた、堂安のような怖さや速さはないと思う。
4-4-2は特に2011年当時は両サイドバックが高い位置を取り、相手ゴールライン際からマイナスのクロスを入れるというシーンが見られた。
そこでエリア内に複数の選手が入り人数をかけて得点するという戦術だが、中に入れたところでボールを失う(ファイナルでのアメリカの1点目)とCB二枚しかいないバックラインの両サイド裏を使われ縦ポン1本に足の速い選手一人でGKと一対一といったシーンを作られ失点した。
リスクを伴う攻撃でありどの国も日本相手にはよく使ってきた日本対策の定番のようなものでもある。

故に2011当時の4-4-2でとは思はないが、選手が所属でやっている4-4-2はもちろん4-2-3-1や4-3-3もあったと思う。なでしこがずっとやっていた4-4-2はすぐに出来ると思うが、セカンドトップタイプ被りになりそうだから4-2-3-1でボランチ長野・猶本トップ下長谷川、トップでポストする選手がいないがアタッカータイプは多いし右の清水は良い上りが出来るのでそういった布陣もありかなと。

とりあえず緒戦が大事、ここを弛緩せずしめていければ勝てるかな。ここで布陣の弱点が露わにならなければよいが、とにかく悔いのないゲームをしてほしい。

オーバーレブ なでしこ vsザンビア