Jul,24 2023 なでしこ vsザンビア
TV放送も寸前まで決まらなった、それはTV離れ(昨年の男子W杯はabemaTVでも流したがTVより好評だったような)ってこともあるが、何より弱くなった代表のゲームは見られない事が大きいだろう。
プロ化も時勢に遅れた、weリーグではなく以前のなでしこ1部の方が海外から選手も来たし観客数はいいとこ数千だが多少は盛り上がりもあった。
11チームで節によりゲームが無いチームができるとか、なでしこリーグへの降格と逆の昇格などがない(相互の位置付けがよう解らん)。プロチームが降格するとアマに、アマチュアチームが昇格するとプロにってのは経営だの考えればムリと思える(他の競技とかどうなんだろ)ことで、チーム数の件からweリーグ立ち上げにかかわった方たちの無策には呆れるばかり。
プロとしての年俸だのがどのくらいかは解らないが、閑散としたスタジアムでやるのは嫌だと思う、日本は数少ないW杯優勝国で蹴り合いでしかなかった女子サッカーの改革者と考えれば、プロ化で米英からでも(昔はけっこう来たよね、アメリカからとかも)選手は来そうなもんだよね。
TV離れはともかく兎に角凋落の原因は弱いなでしこが原因で、勝てないのではなく見ていて勝てる気もしないチームになったことが大きい。
選手選考も偏向が酷く(ここじゃ書いたがな)、佐々木監督の遺産を使い切った頃からは格下(FIFAランクが基だ)とどうにか互角のレベルで、アタッキングサード迄何とか行ってもシュートに結び付かない、たまに見られるミドルはホームラン。守備もタッチに追い込んで挟む、スライディングで刈り取るといったお約束も飛んでどこからでも失点するチームになり下がった。アジアカップ制覇は奇跡だ、ただあの時は佐々木監督の頃の選手がまだ複数いたから北朝鮮とオーストラリアにさえ勝てれば良い楽なアジアでは特段すごい事ではない。
2019で16強敗退、R16のオランダ戦では頑張ったがGLの内容も酷かったことを考えればここで更迭が適切で、コロナで1年伸びた幸運を合わせれば東京ではもう少しやれただろう。
ようやく高倉さんが辞めて現体制になったが後遺症から勝ちきれないゲームが続いた。
高倉体制間に宮間がいなくなり、永里も来なくなった。川澄が稀に呼ばれた、鮫島も呼ばれてはいたかな、宇津木に至っては五輪時だったかな「呼ばれない自分が悪い」とまで書いたが、2011世代からの移行期にU17頃の子飼ばかりを集め戦術の落とし込みもないのだから結果は必然。
2018優勝メンバーが25前後になる今回はある意味池田監督にはやりやすかったと思う、往時のU20は4-4-2で宝田がトップでポストもけっこうやる感じで点を獲っていたと思うが、3-4-2-1の布陣をW杯まで半年と少しくらいから始めたのは心配だった。
シービリーブスでは何故かカナダに3-0で勝ったがこれは相性の良さかな、他は攻守ともに先ず連携不足で全体にパススピードが遅く合わない事が多く良くなかった。高倉さんの後遺症を振り切って戦術だの決まり事を落とし込む最中なので仕方はないと、ただ高倉さん頃より全体に前への意識は感じられたから、そこはよかったと記憶している。
そしてただの壮行戦にしかならなかったパナマ戦、直前の練習試合でしかなく本番では未知数と感じざるを得なかった。
ザンビアはスイスとドロー、ドイツに勝ち切ったとマスゴミは危うさを煽ったが、思うに本番GLはスペインとどうかだけが焦点でしかない。
スペインとはU世代がそうだったが似たパスサッカーを展開するから欧米の一角とはいっても、勝った方がR16に抜ける展開でない限りどちらもやれる範囲での全開でしかやらない筈で、タイプが異なる他の欧米に対する測りにはイマイチだろう。
失礼だがザンビアとコスタリカでは守備の強度・弱点は見いだせないだろう、高倉さん頃の課題だった得点を獲るか、それも戦術的に相手を崩してどれだけ獲るかだけが焦点。
入りは比較的静かな入りでイーブンに近かったがゲームは徐々に日本ペース、ザンビアはアタッキングサードまで運んでもシュートまでいけない。身体能力は高いかもしれないが個のレベルが低く、センターバックの裏を取られたがボールを流してしまいゴールラインを割ったケースがあった。
出場国が24から32に増えたが、女子は特にFIFAランクの差が如実で実力差が大きい、数合わせでGL3位の上位4チームがリパチャージ的にR16へ進めたが、同じ数合わせならその方が拮抗した試合が多かったのではと思う。
初戦の難しさは多少あったと思うが、シュートは打ててたしVARによるオフサイドで取り消しになったがネットも揺らした。前半終了間際に藤野からのカーブのかかったクロスに宮澤がダイレクト合わせ先制、VARでのゴール・PK取り消しの後だったがこれで勝ちは見えた。
前半の頭頃かな、まだ様子見というかイーブンな時間での石川のボールの置き所と置いている"間"に危うさを感じた。もちろんザンビアの選手よりも石川の方が全然近いが、あの距離感・間だとアメリカ、ラピノーやモーガンあたりなら獲りにきそう。例えは変だが三苫なら獲りに行く。右ウイングバック清水の後ろだから清水の守備力も当てにできないし熊や南が飛び込んでコースを消す前、GKと一対一、ペナルティアーク入った辺りでシュートを打たれるだろ。
遠くない位置に相手選手が居るなら、助走なしで蹴れる位置に置いていつでも蹴れる準備(出す先とかその後を考える)をしておかないと決定機を与える。
攻撃では田中のやはりトラップというか置き所の悪さ、高倉さん頃よりはアメリカ行ったからかマシになったがそういった扱いが多い。遠目からのシュートをふかすのも、トラップが大きくなるのももう少し(気持ち)ボールの上にアプローチすれば良いのだが、これは技術的(実戦・相手とのコンタクトありの中での)な問題。普段の練習でどこまで意識しとるか知らんが、無意識に最適解を導けるようになるには相応の努力が要る。宮間ならそうそう外さんね。
1トップが裏抜けを意識する戦術だから縦に速くってのが基本かな、だから長谷川と長野がボランチにいてどちらからでもそれができる布陣。オフサイドの多さはVARのせいもあるよな、無ければどれか1つはそのまま認められてそう。
ただVAR前提でやらなければいけないことは確かで、オフザボールでの動きの質なども求められる筈。田中は高倉さん頃に呼ばれなかったこともあるし、植木は前回怪我で棒に振って捲土重来の想いもあるだろう、共に心を整えてもらいたい。
植木はPKを相手のキーパーが出過ぎで蹴りなおしになったが、完全に読まれてた。そのままではノックアウトでPK戦になった場合使えなかったが、蹴りなおしできっちり決めて、1点以上に本人得たものがあると思う。
藤野は先制アシストのクロスの素晴らしさといい、ミドルでも強いボールを蹴れるが、トラップから流しちゃうことが散見された。長谷川や長野が本気でやったらサンビア戦でのものより速いパスが出てくる筈だからもう少し自分の場所に置ける様に練習してほしいね。
後はハーフコートゲームに近く、点も獲った。ゴール前の怖さは弱いが(これはフィジカルコンタクトの弱さからも来てるな)宮澤の2点はどちらもポジションの良さと、身体を入れられないようにする速さの中で枠内を狙った良いゴールだった。
遠藤のゴールは相手が崩れた時間帯だったがしっかり狙ってあそこに蹴って入れたゴールで、ウイングバックの選手があれをできるというのはチームとしての怖さを上げる事が出来るので良いゴールだった。アメリカでスタメン張ってるのは伊達じゃないな、高倉さんには良い使われ方をしなかったな。
田中のゴールはよく押し込んだ、だが有り勝ちなもの。オフサイドVARを気にしすぎるとあれすら追いつかなくなるが、1トップなら抜け出しのための一工夫を、といったところか。
交代で入った選手はW杯慣れのためといったところだろう、休ませながらなら猶本あたりはもう少し早い時間に入れてもよかったのではないか。
清水は欠かせない選手だがフルで出た、代わりが誰かわからんが3点獲った時点で代えて試しつつ清水を休ませてもよかったと思うがどうだろう。
コスタリカ戦で大幅入れ替えがありそうだが、初戦を苦戦している優勝候補と言われるチームがいくつかある中で、格下とはいえ2戦目で慣れてくるコスタリカにBチームでというのはいささかリスクがある気がする。
まぁ池田監督に信を置いている選手が多いからその部分が大きくプラスになっているとは言え、本番でBチームを持ってくるのはちと心配。
ガチガチに固めてドロー狙いで来られた場合どうする、逆にそれでも複数点獲ってみせてほしい。