Apr,03 2020 安寧
右耳のサーファーズイヤー手術で仙台に。
ほぼ全閉に近く難聴と耳閉感が辛いものの、普段より短いとはいえ波乗りはしていたから、入院・手術はようやく叶ったとはいえ面倒で退屈なものの筈だった。
ブラック企業=休みがないとは限らない。厳密には勤め先の従業員の殆どはまともに休める日が少ないし、100時間/月を越える残業をする方も少なくないが、俺は入社時待遇には拘り落選覚悟で休みは全部休むと言って承諾を得ていたから、もちろん仕事での結果は大いに出した上で他の社員がどれだけ休めなかろうが当たり前に休むし定時にも上がった。
ただ、給与の約束は反故だし遡ればサビ残も多少はあったから経済的な部分と、休みを普通に休み定時で上がる日が少なくないこと、それを悪として吹聴され流言の如く悪口を叩かれたことには大いに反論もした。
他人に対する承認欲求が少ないとは思うが、前述悪口や経済的な圧力には疲弊した。その上で年始以来怪我をして療養・不在となった上司の仕事を、やっつけでなく正当に処理をするようにもなったことで疲弊著しく、ここ仙台の病床へ辿り着いた事はまさに安寧を得たに等しかった。
悪化した不眠症は改善しないが何もせず寝るだけの時間を得たことで改めて自分を見つめなおすと、今の自分は確かに週に2日平日の緩い空気の中で波と風と自分の気の向くままのサーフィンをしているが、もうその大切な日常の様な非日常の中でメンタル的にも体力的にも抜けない疲弊に侵されていて、ただ平日2日という最大限重要な条件以外の生活は何も護られていないと思った。
寧ろ週末だけの休みでも平日2日の様に感じるサーフィンへの向き合い方もあるかもとも感じた。もちろん平日2日と週末との差は出張るサーファーの数が圧倒的に違うから物理的条件が多いに異なるが、単なる欲求を満たすだけなら何がしかの方法も存在するかもしれない。
とにかく、今の自分はギリギリ保てているが、明日は解らない。
折りしもコロナの影響で実態経済への影響が出始めている今は動ける時ではないかもしれないが、会社に対して持っているカードを切れる最後のチャンスかも知れない。色々な圧力や不法行為への教唆(断ったさ)など、積み重ねたカードは数知れない。碁のルールは解らないが布石も打ってある、今の海へ入れない状態は寧ろそれを行使すべく訪れた良い波なのかもしれない。
病床のTVから聞こえるコロナに関するマスコミの様々な言い分を背に、眺める景色はささやかだが大きな安寧だ。